2019年01月
県大会1回戦 戦評
本日立教新座高校グランドで行われた1回戦は、天候・グランドコンディションに恵まれ実力を発揮するには十分な環境となりました。
前半風上の春日部高校は相手キックオフの最初のプレーからしっかりと前に出て体をあてることができていました。相手の川越東高校は体格の大きいNo.8を中心にFWのディフェンスを固めており、BKSラインもワンラインのディフェンス意識がしっかり保たれており、厳しい戦いが予想されましたが、前半5分に相手のミスボールを拾った(?)キャプテンの気持ちの入った20m程のランで一気にトライを取り先制。幸先の良いスタートをきることができました。
ところが、このトライで正気に戻った川越東高校はリスタートのキックオフからFW/BKSによる畳みかけるような攻撃により、春日部校はすぐに同点に追いつかれてしまいました。その後お互い攻めあぐねる感はありつつも、春日部高校の必死の防御もあり拮抗したゲーム展開で相手を2トライで抑えていましたが、前半20分手前で、崩れたスクラムの下敷きになった形でキャプテンが右ひざを負傷し退場、流れが急激に川越東高校に傾き追加2トライをとられ、1 vs 4トライでハーフタイム。
後半、接点で何度もターンオーバーされ、少ない攻撃機会でも流れを取り戻すことができず、9トライを取られての完敗という結果となりました。
今回の敗戦の第一の要因はトライを取った後、どれだけプレーヤーが集中しトライを取り返されないように踏ん張りが効いたか、という点にあると考えます。どのスポーツでも同じことが言えますが、得点した後簡単に取り返されないことが、ゲームメークをする上でとても大切です。
第二の要因はタックルやあたり、オーバー、パス、サインプレーといった個々のスキルの精度の低さにあり、基本的な点とはいえ重要な修正点がこの時期にわかったことは、よかったと思います。今後に活かして欲しいと思います。
この新人戦をすべて見てきて、小林組の特徴としてはっきり見えたことがあります。それは前に出るパターンに入った時は全員が前に出て、チームのベクトルが明確にGo Forwardで一致することができる、ということ。
しかし一方で、ワンプレーによるラインブレークや接点攻防でターンオーバーとなった場合に再び”前へ”という気持ちの切り返しができるプレーヤーがいない(全くのゼロではないですが)、ということ。体力的な問題もありますが、今日の試合の中でも劣勢にまわったとき春日部高校からは残念ながら声の掛け合いがほとんど聞こえてきませんでした。すなわちコミュニケーションをとらなくなったことで、負のスパイラルに陥るという癖が出てしまう。これは早い段階で修正が必要と感じます。
ラグビーは、グランドでプレーする15人がしっかりとコミュニケーションをとり、トライに向かって一致団結することができなければ決して勝つことはできません。昨年12月24日に熊谷Gで行われた元ジャパンHCのエディーさんも、おそらく何十回も選抜された高校生たちに檄を飛ばしていました「コミュニケーションをとれ」と。
重大な怪我にもつながることなので、今一度ラグビーにおける基本の”き”を大切にしてほしいと思います。